Archive for the ‘法律’ Category

事務所通信 2020年5月号 要約版

2020-04-02

1.“経営者保証のない融資”に向けた3つのポイント
2.月次決算の役割 ~月単位の業績把握で正しい経営判断をしよう!~
3.売掛金の時効が2年から5年に長期化します!~管理と回収法を再確認しよう~

1.“経営者保証のない融資”に向けた3つのポイント
 中小企業の融資では、経営者が個人保証を付けることが慣行になっており、それが重荷となって、新事業展開、事業承継、事業再建などが進まないといった弊害がありました。平成26年に、金融機関に個人保証を求めない融資を促す「経営者保証に関するガイドライン」が公表され、すでに一部で経営者保証のない融資が行われています。
同ガイドラインでは、中小企業が(1)会社と経営者の関係を明確に区分・分離する、(2)財務基盤を強化する、(3)財務状況の正確な把握と適時適切な情報開示、に対応することで、金融機関の判断によって、経営者保証が求められない場合があります。

2.月次決算の役割 ~月単位の業績把握で正しい経営判断をしよう!~
 月次決算には、次のような役割があります。
(1)毎月の業績をいち早く把握できる。また、急激な経営環境の変化があっても、影響の予測や資金繰り対策などにも素早く対応できる。
(2)粗利益率、資産、負債の増減を確認できる。
(3)月次決算の数値を前年同月、前月、予算と比較することで、良いときは業績拡大のヒントとし、悪いときは早めの対応をとることができる。
(4)月次決算のデータを金融機関に開示・説明することで、金融機関からの評価を高めることができる。

3.売掛金の時効が2年から5年に長期化します!~管理と回収法を再確認しよう~
 令和2年4月1日施行の改正民法では、債権の消滅時効が改正されました。改正前は、債権の消滅時効を10年、短期消滅時効として宿泊料・飲食代金を1年、製造業・小売業の売掛債権を2年、建築請負工事代金を3年などと職業別に規定していました。
 改正民法では、これらの短期消滅時効と商法における商行為の時効5年を併せて廃止し、消滅時効を次のように統一して、いずれか早いほうが経過した時に時効となります。
 (1)債権者が権利を行使することができることを知った時から5年
 (2)債権者が行使することができる時から10年
民法の改正を機に、売掛金管理体制を再確認し、未回収のまま長期間放置することがないようにしましょう。

事務所通信 2020年3月号 要約版

2020-04-02

1.決算日までに確認しておくべき事項
2.4月1日から不動産賃貸契約のルールが見直されます
3.労働時間・休日は労基法に対応していますか?

1.決算日までに確認しておくべき事項
 決算業務をスムーズに進めるには、売掛債権、たな卸資産、固定資産などについて決算日までに確認しておく事項がありますが、本年は消費税率引き上げ後はじめての決算なので、まずは消費税処理の再確認をしましょう。
〇9月30日以前に販売した商品の返品処理時の消費税率を再確認する。
〇10%と軽減税率が混在する経費取引の適用税率を再確認する。
〇滞留債権・不良在庫への対応、不良在庫の処分などを検討する。
〇今期に取得した固定資産が、実際に事業のために稼働しているかを確認する。
〇仮払金・立替金を必ず精算する。

2.4月1日から不動産賃貸契約のルールが見直されます
4月1日施行の改正民法では、不動産賃貸契約における原状回復義務や敷金、債務の保証のルールが変わります。
〇通常の使用によって生じた損耗や経年変化については、借手に原状回復義務がないことが法律上明確になります。
〇敷金については、敷金の概念やその返還についても明確になります。
〇借り手に個人の保証人を求める場合には、「極度額」を定めることが必須となります。

3.労働時間・休日は労基法に対応していますか?
 4月から、中小企業にも改正労働基準法における残業の上限規制が適用されます。まずは法令が定める労働時間、休日、時間外労働(残業)について正しく理解しましょう。
〇法定労働時間:原則として1日8時間・1週40時間以内を超えてはいけない。
〇法定休日:1週間に1日又は4週を通じて4日以上与えなければならない。
〇残業時間:法定労働時間を超えて働かせると法定外時間外労働(残業)となる。
〇割増賃金:法定労働時間を超える残業には一定の割増賃金の支払いが必要になる。

事務所通信 2019年7月号 要約版

2019-06-28

1.7月1日から改正民法(相続法)が施行されます
2.消費税 価格転嫁と価格表示への対応2 価格表示を確認し、対応を検討しましょう!
3.小さな会社の「必勝の経営術」2 中小企業は“強者の戦略”で戦うな!

1.7月1日から改正民法(相続法)が施行されます
 主な改正点として「贈与税の配偶者控除の特例による居住用不動産の持戻しの免除」があります。税制上の特例を使って配偶者に生前贈与された不動産について、改正前は配偶者の特別受益として、相続時にその不動産価格が遺産に加算(持戻し)されていましたが、改正法では、持戻しを免除する規定が設けられ、税法との食い違いが解消し、配偶者の老後の生活保障という被相続人の意思が尊重されることになります。
 そのほか、遺産分割前における預貯金の一定の範囲内での払戻し、被相続人の生前に無償で療養・介護に尽くした相続人以外の親族(長男の妻など)の貢献度に応じた金銭の請求権の創設、遺留分権利者の権利侵害における請求権を原則として金銭請求とする改正が行われました。

2.消費税 価格転嫁と価格表示への対応② 価格表示を確認し、対応を検討しましょう!
 消費増税に伴い、新たな販売価格の表示が必要となります。小売業や飲食業など消費者と取引する(BtoC)事業者は、総額(税込)表示が原則ですが、値上げと誤認されたくないなど事業者の事情に配慮して、総額表示と誤解されない措置をとれば、税抜価格による表示が認められます(令和3年3月末まで)。
 事業者間取引(BtoB)においては、総額表示義務はありませんが、契約書等の消費税額についての記載を見直すことが必要です。取引先に確認し、整備しましょう。
 免税事業者については、仕入にかかる消費税相当額を織り込んだ価格設定をしたうえで、価格表示をしましょう。

3.小さな会社の「必勝の経営術」② 中小企業は“強者の戦略”で戦うな!
 ランチェスター法則には、競争条件の有利な企業が実践する「強者の戦略」と競争条件の不利な企業が実践する「弱者の戦略」があります。中小企業は、弱者の戦略で経営すべきですが、敵を知る意味で「強者の戦略」を知る必要があります。
 強者は、まず商品や地域において総合1位になることを目ざし、さらに2位以下の企業の追随を許さないように、大きな資本力を使った戦略をとります。
 商品であれば商品の種類を増やし、営業地域であれば多数の支店や営業所、販売担当者を配置して市場の範囲を広げます。弱者が新製品を出せば、直ちに同様の商品を販売します。地域市場のカバー率を高め、マス広告を利用して知名度を上げる。このような戦略を実行できるのは、わずか0.5%しか存在しません。

事務所通信2018年10月号 要約版

2019-03-14

1.相続時の配偶者の権利を大幅に拡大~改正民法(相続法)のポイント~
2.被災したとき・被災地を支援したときの税制上の支援
3.改正労基法施行前に知っておくべきこと 残業させるにもルールがあります

1.相続時の配偶者の権利を大幅に拡大~改正民法(相続法)のポイント~
 高齢社会の進展を踏まえ、残された配偶者の生活基盤の安定を図ることを主とした民法(相続法)の大幅な改正が行われました(平成30年7月13日公布)。
 改正では「配偶者居住権」が創設され、夫婦で住んでいた住居を配偶者以外の相続人が相続しても、残された配偶者がそのまま住み続けることができるようになりました。また、従来、婚姻期間が20年以上の夫婦間において、配偶者へ住居を生前贈与した場合には、遺産の先渡しとみなされ、遺産分割の際に、特別受益の持ち戻しが行われ、配偶者の取得財産が少なくなっていました。改正では、遺産の先渡しを受けたという取扱いをなくし、配偶者により多くの財産を残せるようになりました。

2.被災したとき・被災地を支援したときの税制上の支援
 自然災害によって法人や個人が被害を受けた場合、税制上の支援があります。法人の場合、復旧費用を修繕費として損金処理することが認められるほか、災害によって生じた損失による欠損金額の繰越控除や繰戻し還付が受けられます。個人の場合は、住宅や家財の損害について、所得税の雑損控除などが受けられます。
 被災した取引先や被災地を支援する場合にも優遇措置があります。法人が贈った取引先への災害見舞金や救援物資などは全額を損金(経費)にすることができます。
 個人で義援金などを贈る場合には、その自治体へ直接寄附するか、ふるさと納税を活用すれば、寄附金控除が受けられます。

3.改正労基法施行前に知っておくべきこと 残業させるにもルールがあります
 平成30年6月に、長時間労働の是正を柱とする改正労働基準法等(働き方改革関連法)が成立し、中小企業は2020年4月から施行されます。改正を前に、労働時間と時間外労働(残業)についてのルールを再確認しましょう。
 会社が法定労働時間(1日8時間・1週40時間)を超えて従業員に残業をさせるためには、会社と従業員との間で「時間外労働に関する協定」(通称36協定)を締結し、労基署へ届け出なければなりません。この36協定を締結すれば、原則として年360時間までの残業が認められます。また、繁忙期など、この限度を超えて残業をさせなければならない「特別な事情」がある場合には、「特別条項付の36協定」を締結することで、この限度時間を超えることが認められています。自社の36協定に不備がないか、確認しましょう。

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