Archive for the ‘会計’ Category

事務所通信2021年7月号 要約版

2021-05-31

1.会計・税務:経理業務のキホンの「キ」(4) 正確な月次決算への第一歩
2.経営:新型コロナがもたらした変化を分析し今後の経営に活かそう!
3.会計:黒字化するにはいくら売ればよいのか?   変動損益計算書で経営を見える化する(2)

1.会計・税務:経理業務のキホンの「キ」(4) 正確な月次決算への第一歩
請求書の発行時や受領時に売掛金と買掛金を月次で計上することで、売掛金の回収予定や仕入代金の支払予定を把握できるようになります。
売掛金は、毎月、得意先への売上請求書を発行する際に、売上とともに仕訳計上します。買掛金については、仕入先からの仕入代金の請求書を受領したときに、仕入と買掛金を仕訳計上します。仕訳を得意先別、取引先別に計上すれば、月次での売掛金・買掛金管理ができるようになります。
売掛金と買掛金を月次で計上することは、発生主義による月次決算への第一歩です。

2.経営:新型コロナがもたらした変化を分析し今後の経営に活かそう!
新型コロナによる経営への影響はさまざまで、業績が悪化した企業もあれば、特需によって業績を伸ばした企業もあります。コロナ禍での売上、経費、労働環境について、良い傾向や変化がないか探してみましょう。
売上の変化のなかに業績向上につながる変化があれば、いかに事業展開を図るか、販売方法や業態を変えるかなど、顧客意識の変化を捉えて、戦略を検討しましょう。
仕事量や従業員の行動の変化によって、経費、コストも変化が生じていることでしょう。売上との関連に注意しながら分析し、見極めることが大切です。経費やコストの増減が売上実績に見合っているか検討しましょう。
また、新型コロナ関連の給付金等の終了や、制度融資の特例の縮小などがありますので、今後の資金繰りの見通しをしっかり立てておきましょう。

3.会計:黒字化するにはいくら売ればよいのか?
   変動損益計算書で経営を見える化する(2)
経常利益がゼロ(限界利益=固定費)、つまり損益がトントンになる状態を損益分岐点といい、「売上高×限界利益率=固定費」の算式で表すことができます。
この算式をもとに、売上高、限界利益率、固定費の数値を入れ替えてシミュレーションすれば、固定費が増加したときや限界利益を伸ばしたいときの必要売上高などを求めることができます。
また、利益面だけでなく資金との関連を考え、借入返済額や減価償却費を見込んでシミュレーションすることで、借入返済に必要な売上高はいくらかを求めることができます。損益分岐点分析を活用してみましょう。

事務所通信2021年6月号 要約版

2021-05-31

1.会計:限界利益が固定費を上回っていますか?変動損益計算書で経営を見える化する①(全3回)
2.金融:確認しておきたい 追加融資と借入金返済への備え
3.トピック:押印のない契約書、証憑書類は有効なのか?

1.会計:限界利益が固定費を上回っていますか?
   変動損益計算書で経営を見える化する(1)(全3回)
変動損益計算書は、費用(経費)を、売上の増減に伴って変動する変動費(材料費、外注費など)と、売上が増減しても変動しない固定費(賃金・給与や地代家賃など)に分類し、売上高から変動費を差し引いた限界利益、そこから固定費を差し引いた経常利益を算出しています。
限界利益は、粗利益とほぼ同じもので、企業の純粋な稼ぎ高であり、これが固定費を上回ることで固定費が賄えるのです。
固定費を限界利益率(限界利益÷売上高)で割れば、赤字でも黒字でもない損益トントンの売上高である損益分岐点売上高を簡単に求めることができます。変動損益計算書をもとに、売上高、変動費、固定費、限界利益の数値をシミュレーションすれば、数値にもとづいた的確な経営判断ができるようになります。

2.金融:確認しておきたい 追加融資と借入金返済への備え
新型コロナの影響が長期化するなか、追加融資が必要となるケースも出てきます。
昨年来の新型コロナ関連融資では、財務内容よりも迅速さが優先され、融資が受けやすい状況にありましたが、追加融資は審査が厳しくなることが予想されます。
追加借り入れの際には、直近の試算表、前年同月の売上高、資金繰り表などの資料をもとに、資金使途、必要資金額、返済可能性について金融機関に説明しましょう。
また、既存借入金の返済開始も始まります。返済原資を確認し、借換えや返済条件の変更(リスケジュール)についても検討しましょう。
政府系金融機関の新型コロナ関連の融資・保証についても、期限や対象要件等が見直されることがあるため、最新情報に注意しましょう。

3.トピック:押印のない契約書、証憑書類は有効なのか?
官民において押印廃止が進められるなか、押印の法的効果や押印のない文書の責任の所在や意思確認について、さまざまな疑問もあるでしょう。
(1)押印の法的効果は、本人の印章(はんこ)によって押印された印影は、本人の意思に基づく押印と推定され、その本人が作成したものであると推定されることにあります。
(2)契約書、請求書、領収書などへの押印を廃止しても、法的には有効ですが、文書の真正な成立の過程を裏付ける資料などを残しておく必要があります。
(3)民間同士の取引において、責任の所在や意思を明確にしておきたい場合には、従来どおり書面に押印することも必要です。しかし、押印廃止の先には文書のデジタル化があり、今後は、電子署名や電子認証サービスを活用した文書のデジタル化が進むでしょう。

事務所通信2021年5月号 要約版

2021-04-02

1.支援策:第3次補正予算による中小企業支援策を活用しよう!
2.税務:確認しておきたい 新型コロナに関連した税制の注意点
3.会計・税務:経理業務のキホンの「キ」③ なぜ帳簿書類の整理・保存が重要なのか

1.支援策:第3次補正予算による中小企業支援策を活用しよう!
 令和2年度第3次補正予算等では、新型コロナ対策として、中小企業向けの補助金、公的融資などの新設・拡充が盛り込まれました。
(1)新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編等の思い切った事業再構築を図る中小企業等に最大1億円(通常枠は6,000万円)を補助する「事業再構築補助金」が創設されました。税理士等の認定経営革新等支援機関との事業再構築計画の策定が必要です。
(2)ものづくり・持続化・IT補助金について、感染対策と経済活動の両立のための設備の導入、販路開拓、テレワーク等のためのITツールの導入を対象とした特別枠が、補助率等を拡充し、「低感染リスク型ビジネス枠」(新特別枠)として改編されました。
(3)事業転換・イノベーション・経営改善を支援するため、当初2年間の金利を0.5%引き下げた「設備資金貸付利率特例制度」や、金融機関の継続的な伴走支援を受けて経営改善に取り組む中小企業への「伴走型特別保証」が創設されました。

2.税務:確認しておきたい 新型コロナに関連した税制の注意点
(1)新型コロナ税特法により創設された「納税の猶予制度の特例」は、令和3年2月1日をもって終了しました。今後は、通常の猶予制度(換価の猶予、納税の猶予)を適用することになります。
(2)テレワーク(在宅勤務)する従業員に対して、会社が在宅勤務手当として一定額を渡切りで支給する場合は、給与として課税されます。テレワークに必要な事務用品等の支給や通信費・電気料金について、実費相当額を精算する場合は、課税されません。
(3)助成金等を受給した場合は、法人税や所得税の課税対象になるため注意が必要です。雇用調整助成金の特例措置によって助成金を受給した場合は、支給決定を受けた事業年度に収益を計上することが認められます。

3.会計・税務:経理業務のキホンの「キ」③ なぜ帳簿書類の整理・保存が重要なのか
帳簿書類の整理・保存は、現金管理とともに正しい経理処理の基本であり、経営の意思決定と経営管理のうえで、欠かすことのできない業務です。
帳簿書類が、秩序正しく整理され、いつでも容易に見られる状態に保管してあれば、経理業務においても、書類の紛失、誤記、転記や請求のミスなどが起こりにくくなります。社長が経営判断に必要な情報を迅速に確認することができます。
帳簿書類は、商法、会社法、税法において保存期間が定められており、税務では、帳簿書類の保存が青色申告控除や消費税の仕入税額控除の要件になっています。
電子への移行においても、紙ベースでの帳簿書類の整理・保存がきちんとできていれば、移行がスムーズに進みます。

事務所通信2021年4月号 要約版

2021-03-22

1.会計・税務:経理業務のキホンの「キ」② 経理は現金に始まって現金に終わる
2.会計:筋肉質で効率がよい会社をめざす(2)~負債・純資産の部では信用力が問われる~
3.経営:こんな方法もある! 資金調達のアイデア

1.会計・税務:経理業務のキホンの「キ」② 経理は現金に始まって現金に終わる
 日々の現金取引は、その日のうちに遅れずに起票し、正確な現金残高表(または現金出納帳)を作成するとともに、金庫内の現金を数えて、実際有高と帳簿残高が一致するかを確かめます。これが現金管理の基本です。
 現金は預金と異なり取引記録が残らないため、あとからその動きを追うのは困難です。毎日、現金残高を合わせていれば、売上や経費、精算のもれがなくなります。この現金管理ができていれば、現金に対する会計上の仕組みが構築されていることになり、誤りや不正を発見・防止する体制が整備されているといえるでしょう。

2.会計:筋肉質で効率がよい会社をめざす(2)~負債・純資産の部では信用力が問われる~
 貸借対照表の「負債・純資産の部」は、企業活動を支える資金の調達先を表します。
営業活動を支える運転資金は、「たな卸資産回転期間+売上債権回転期間」と「買入債務回転期間」との差を見ることで、資金調達が必要な期間がわかります。この差のバランスを図ることで、資金繰りが安定します。
 また、中小企業の多くは金融機関からの融資によって資金を確保しますが、「当期利益額+減価償却費」の金額が、1年以内返済額を上回っていれば、資金繰りは安定した状態といえます。
 中小企業の税負担率は利益の30%以内であることから、70%は内部留保することができます。黒字化をはかり、利益を内部留保して純資産(自己資本)の蓄積をめざしましょう。

3.経営:こんな方法もある! 資金調達のアイデア
 資金調達というと、金融機関や経営者からの借り入れなどが一般的です。
 しかし、代金前払いなどは、事前に資金を調達できるという点で、一種の資金調達の手法といえます。前金、前売り券、手付金などはその一例でしょう。
 それ以外にも、保守・点検サービスの月額料金や、サブスクリプションと呼ばれる定額制動画配信サービスなどは、毎月一定額を受け取ることができ、資金繰りの安定に貢献します。中小企業の利用が増えているクラウドファンディングや、農作物のオーナー制度なども、商品・サービスの提供前に収入を得る仕組みといえます。
 新商品・新サービス開発の際には、資金調達のことも考えたビジネスモデルを検討してみてはいかがでしょうか。

事務所通信2021年3月号 要約版

2021-03-22

1.会計・税務:経理業務のキホンの「キ」 ~まずは会計伝票の誤りを正しく訂正すること~
2.会計:筋肉質で効率がよい会社をめざす(2)~資産は回転力が重要~
3.経営:こんなときだからこそ 3か月ごとに業績を総括!

1.会計・税務:経理業務のキホンの「キ」 ~まずは会計伝票の誤りを正しく訂正すること~
 実務において会計伝票に誤りを発見することがあります。この場合、誤りをさかのぼって訂正するのではなく、「発見した日の日付」で、取り消しと訂正の伝票を起票します。これが正規の簿記の原則に従った正しい訂正方法です。
 「訂正の履歴をきちんと残す」ことで証拠能力として認められます。このことは紙の伝票においても、電子の伝票においても変わることはありません。
 このような、日々の正しい会計処理の積み重ねが、正しい月次試算表や、適正な決算書、税務申告書の作成につながり、税務署や金融機関から高い評価が得られます。

2.会計:筋肉質で効率がよい会社をめざす(2)~資産は回転力が重要~
 営業活動における「たな卸資産(在庫)→売上→売掛金(売上債権)回収」という回転が速いほど、資金効率がよくなります。これを水泳選手の身体にたとえると、右腕(たな卸資産)と左腕(売掛金)が効率よく回って、胸筋(現金預金)を強くしている状態です。その一方で、上半身の動きを支える下半身(固定負債)が過大になりすぎる(脂肪過多)と、資金不足になるおそれがあります。
 売掛金と在庫の管理をきちんと行って、たな卸資産や売掛金を効率よく回転させ、筋肉質で効率がよい会社をめざしましょう。

3.経営:こんなときだからこそ 3か月ごとに業績を総括!
 先行きの不透明なこんなときだからこそ、月次の業績だけでなく、3か月ごとに業績を確認することが必要です。月次で見ると小さな変化であっても、3か月で見ると大きな変化になっているかもしれません。3か月ごとに業績を総括し、課題や強化すべき点を確認し、目標とのズレを改善する方法を考え、目標との差異を小さくしていくことが大切です。状況によっては決算に向けての方針を変更しなければならないこともあります。
 いま、金融機関は、融資先の事業、財務、資金繰りの状況を確認するモニタリングを重視する方向へ動いています。業績管理を行い、自社から積極的に業績などを報告することが必須になってきています。
 また、決算書や毎月の試算表を電子的に自動で金融機関へ提供することも可能です。

事務所通信2019年1月号 要約版

2020-11-30

1.企業存続のために最も大切な「利益」の考え方とは?
2.飲食料品業だけではない!軽減税率はすべての事業者に影響あり!!
3.1月13日から施行!「自筆遺言」が変わります

1.企業存続のために最も大切な「利益」の考え方とは?
 経営学者のP.F.ドラッカーは、「利益」には3つの役割があるといいます。
第1は「事業の妥当性を評価する役割」であり、自分たちの仕事ぶりを表す指標の一つになります。
第2は「事業活動における様々なリスクをカバーする役割」であり、将来の不確実なリスクに備えるためには、キャッシュを増やすことが必要です。
第3は「資金調達手段としての役割」であり、利益は投資資金の源泉となり、融資の際の定量的な評価の一因になります。
会社は、目指す目標を実現するためにコストを十分に賄えるだけの利益を生み出す活動に力を入れなければなりません。

2.飲食料品業だけではない!軽減税率はすべての事業者に影響あり!!

 消費税率10%への引き上げと同時に、飲食料品等を対象にした8%の軽減税率制度が導入されます。軽減税率は、飲食業や小売業、食品卸や食品製造業など飲食料品を販売する事業者だけでなく、すべての事業者に影響します。
 飲食料品を販売する事業者は、請求書やレシートを発行する際に、8%と10%の税率ごとに区分した記載をしなければなりません。飲食料品の販売がない事業者は、仕入、販売には10%の税率が適用されますが、経費として飲食料品を購入する場合には、8%の税率が適用されるため、帳簿への記帳にあたっては、税率ごとに区分しなければなりません。
 改正消費税への対応には、時間をかけて準備する必要があります。早めに取り掛かりましょう。

3.1月13日から施行!「自筆遺言」が変わります

 平成30年7月成立の改正民法(相続法)において、自筆証書遺言の作成要件が緩和され、1月13日から施行されます。
これまで、自筆証書遺言の作成は、全文が自書でなければならず、作成時の負担は相当のものでした。改正によって、添付する財産目録については、パソコンでの作成や通帳のコピー、登記事項証明書など、自書でないものが認められ、作成時の負担軽減が図られます(ただし、全頁に署名・押印が必要です)。
 遺言書の保管時における紛失、廃棄、改ざん、隠匿や相続を巡る争いを防止するため、法務局において自筆証書遺言を保管する制度が創設されます(2020年7月10日施行)。
 改正によって、自筆証書遺言の作成、保管が容易になることで、遺言書を活用した相続対策が期待されます。

事務所通信2021年1月号 要約版

2020-11-30

1.経営理念:企業は社会の公器 ~自社の存在意義を再確認しよう~
2.経営戦略:急激な環境変化のなかで、自社のできることを探そう
3.トピック:急速に進むデジタル化の波

1.経営理念:企業は社会の公器 ~自社の存在意義を再確認しよう~
 「会社はだれのものか?」と聞かれたときにあなたはどう答えますか。もちろん懸命に働いて会社を維持してきた経営者にとっては「自分のもの」ですが、「一緒にがんばってきた社員のものでもある」「顧客が支えてくれて今がある」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
 企業は「顧客の求めるものは何か」を常に考えて、そのニーズに応じた商品やサービスを提供するとともに、「社会」、つまり企業を取り巻く、顧客、社員、経営者(家族含)、取引先、地域社会、環境・資源、行政機関等のステークホルダーにも貢献する活動を行うことで、社会で存続できるのではないでしょうか。
 コロナ禍で厳しい環境が続きますが、年初にあたり、自社の存在意義を考える機会を持ってみてはいかがでしょうか。

2.経営戦略:急激な環境変化のなかで、自社のできることを探そう
 新型コロナによって企業を取り巻く経営環境が大きく変化しても、企業は売上回復を図らなければなりません。SWOT分析の手法を活用し、外部環境を、自社にとって追い風やチャンスとなる「機会」と、反対に逆風やピンチとなる「脅威」に分けて、市場の変化を分析してみましょう。次に、内部環境として、自社が他社に勝てる、得意な点である「強み」と、反対に他社に負ける、不得意な点である「弱み」を再確認します。
 機会、脅威、強み、弱みの現状分析をもとに、追い風やチャンスを活かせる自社の強みを見つけて、そこから今できる戦略を考えて、まずは一歩を踏み出してみましょう。

3.トピック:急速に進むデジタル化の波
 政府は、デジタル庁の新設、デジタル化促進のための規制改革、行政手続における「書面・押印・対面」廃止の法改正を令和3年の通常国会で予定しています。また、すでに実施・予定されている行政サービスのデジタル化もあります。
〇マイナンバーカードを健康保険証として利用できる(令和3年3月から)。
〇マイナンバーカードに運転免許証の機能を搭載される(令和8年を予定)。
〇旅券(パスポート)の電子申請が可能になる(令和4年を予定)。
〇マイナンバーカードと銀行口座の紐づけにより、国税還付、年金給付、被災者生活再建支援金、各種奨学金などの公金受取手続の迅速・簡素化を図る。
〇年末調整や確定申告における控除証明書等の電子データ化により申告書への記載・計算・提出が自動化される。
 デジタル化された行政サービスの利用には、マイナンバーカードが必須になります。

事務所通信要約版 2020年9月号

2020-08-20

1.経営:特集「緊急 資金繰り対策」歴史からひも解く コロナ危機に負けない経営者マインドとは
2.支援策・税務:特集「緊急 資金繰り対策」中小企業への資金支援を強化! 第2次補正予算のポイント
3.トピック:新しいポイント還元制度「マイナポイント」が始まる

1.経営:特集「緊急 資金繰り対策」 歴史からひも解く コロナ危機に負けない経営者マインドとは
 わが国は創業100年超の老舗企業が3万社にのぼる長寿企業大国であり、それらの企業は恐慌や大戦、震災などの苦難を乗り越えてきました。江戸時代のデフレ政策とされる享保の改革では、商人の7、8割が潰れたといわれます。商人は、自己の責任で決断し、己を律し、行動しなければ生き残れないことを痛感し、困難に遭っても心が折れないために、商家のあるべき姿を家訓として残しました。商人が倒産した真の要因は目的意識が希薄であったことを知ったのでした。
 歴史は繰り返します。今、コロナ禍で多くの企業が厳しい状況にある中で、今一度原点に戻り、会社の存在意義の再構築をすることの重要性を伝えています。

2.支援策・税務:特集「緊急 資金繰り対策」中小企業への資金支援を強化! 第2次補正予算のポイント
 第2次補正予算では、家賃支援給付金の創設、雇用調整助成金の拡充などの追加支援策が盛り込まれました。
(1)家賃支援給付金は、支払賃料(月額)に基づいて算定した額の6倍が一括支給されます。ただし、法人は600万円・個人事業者は300万円が上限です。対象は、令和2年5月~12月における売上の減少が、1か月で50%又は連続する3か月の売上の合計が30%のいずれかに該当するテナント事業者です。
(2)雇用調整助成金は、助成額の上限を1人1日8,330円から15,000円に引き上げるなどの拡充が行われました。なお、引き上げは、4月1日まで遡って適用されます。
(3)新型コロナ感染拡大の防止措置による休業中に、賃金(休業手当)を受けられなかった人に対して「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」が支給されます。

3.トピック:新しいポイント還元制度「マイナポイント」が始まる
 9月から、マイナンバーカードを活用した消費活性化策として「マイナポイント」が始まります(令和3年3月まで)。
マイナポイントは、利用者がキャッシュレス決済サービスを一つ選んで事前に登録することで、チャージや買い物時に、金額の25%(上限5,000円分)がその決済サービスのポイントとして付与されます。マイナポイント取得までの手順と注意事項を紹介します。
 今後、調整手続の電子化など、行政サービスの電子化が進むと、様々な場面でマイナンバーカードが必要になります。

事務所通信 2020年5月号 要約版

2020-04-02

1.“経営者保証のない融資”に向けた3つのポイント
2.月次決算の役割 ~月単位の業績把握で正しい経営判断をしよう!~
3.売掛金の時効が2年から5年に長期化します!~管理と回収法を再確認しよう~

1.“経営者保証のない融資”に向けた3つのポイント
 中小企業の融資では、経営者が個人保証を付けることが慣行になっており、それが重荷となって、新事業展開、事業承継、事業再建などが進まないといった弊害がありました。平成26年に、金融機関に個人保証を求めない融資を促す「経営者保証に関するガイドライン」が公表され、すでに一部で経営者保証のない融資が行われています。
同ガイドラインでは、中小企業が(1)会社と経営者の関係を明確に区分・分離する、(2)財務基盤を強化する、(3)財務状況の正確な把握と適時適切な情報開示、に対応することで、金融機関の判断によって、経営者保証が求められない場合があります。

2.月次決算の役割 ~月単位の業績把握で正しい経営判断をしよう!~
 月次決算には、次のような役割があります。
(1)毎月の業績をいち早く把握できる。また、急激な経営環境の変化があっても、影響の予測や資金繰り対策などにも素早く対応できる。
(2)粗利益率、資産、負債の増減を確認できる。
(3)月次決算の数値を前年同月、前月、予算と比較することで、良いときは業績拡大のヒントとし、悪いときは早めの対応をとることができる。
(4)月次決算のデータを金融機関に開示・説明することで、金融機関からの評価を高めることができる。

3.売掛金の時効が2年から5年に長期化します!~管理と回収法を再確認しよう~
 令和2年4月1日施行の改正民法では、債権の消滅時効が改正されました。改正前は、債権の消滅時効を10年、短期消滅時効として宿泊料・飲食代金を1年、製造業・小売業の売掛債権を2年、建築請負工事代金を3年などと職業別に規定していました。
 改正民法では、これらの短期消滅時効と商法における商行為の時効5年を併せて廃止し、消滅時効を次のように統一して、いずれか早いほうが経過した時に時効となります。
 (1)債権者が権利を行使することができることを知った時から5年
 (2)債権者が行使することができる時から10年
民法の改正を機に、売掛金管理体制を再確認し、未回収のまま長期間放置することがないようにしましょう。

事務所通信 2020年4月号 要約版

2020-04-02

1.どうして経営計画が必要なのか? 進むべき方向をわかりやすく示す
2.生産性向上や先進的設備への投資を後押しする税制
3.残業には「36協定」が必要です

1.どうして経営計画が必要なのか? 進むべき方向をわかりやすく示す
 事業を進めるうえで、社長の経営方針を文書化し、それを数値計画にして説明することで、従業員も行動が起こしやすくなります。
 「先のことはわからないので経営計画を作ってもムダ」と考えている経営者もいるかもしれませんが、今後1年間の売上がどうなるかはわからないとしても、1年間にかかる人件費などの固定費、借入金の年間返済額などは予測することができます。それらの年間支出額を限界利益率(粗利益率)で除すれば、概算の必要売上高を求めることができ、これを来期の目標売上高の目安にすることができます。
 厳しい経営環境の中、自社の固定費を上回る限界利益(粗利益)を稼ぐには、経営計画によって会社全体のベクトルを合わせることが大切です。

2.生産性向上や先進的設備への投資を後押しする税制
 令和2年度税制改正では、5G(第5世代移動通信システム)をインフラとして早期・集中的に整備するため、5G設備への投資について特別償却(取得価額30%)又は税額控除(取得価額の15%)ができる税制が創設されました。この税制では、地域の企業や自治体等が、地域の産業やニーズに応じて限定的なエリアで行う「ローカル5G」への設備投資も対象です。
 特にローカル5Gは、人手不足や高齢化、地域経済の低迷などの課題解決の一つとして次のような活用が期待されています。
〇小売業:店舗と倉庫を瞬時に直結した在庫管理や電子決済によって人手不足を解消する。
〇建設業:遠隔からの作業指示、建機の遠隔操作・自動操縦によって現場の作業が変わる。
〇製造業:遠隔・自動制御による製造・品質管理などで人手不足でも生産性向上が図れる。

3.残業には「36協定」が必要です
 従業員に法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えての労働や法定休日に労働をさせるには、従業員との間で労働基準法第36条に基づく協定(通称36協定)を締結し、労働基準監督署に届け出る必要があります。
 また4月から、中小企業にも残業の上限規制が適用となり、今後、「36協定」を締結しても、残業時間は、原則として「月45時間・年360時間」を超えることができません。「特別条項付きの36協定」を締結すれば、「月45時間・年360時間」を超えて残業させることが可能ですが、具体的な事由とともに年720時間以下などの上限があります。
 業務の繁閑、季節変動等により「1日8時間、1週40時間」の原則が馴染まない企業には、変形労働時間制などを採用する方法もあります。

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