3月, 2019年

事務所通信2018年9月号 要約版

2019-03-14

1.経営者マインドの維持には経営計画が必要
2.国が進めるデジタル・ファーストで税務はどう変わる?
3.期中に役員給与を減額せざるを得ないときの注意点

1.経営者マインドの維持には経営計画が必要

 経営には不安がつきものですが、企業が将来に向かって、経営ビジョンや目標を達成する経営計画があれば、そこへ向かって事業に取り組む意欲が湧いてきます。経営計画は、経営者マインドを維持するうえでも大切なものです。
 このような、将来の夢や目標を描いた計画のほか、会社が確保すべき利益を積み上げた計画、融資を受けるために自社の現状や将来性をディスクローズした計画、特例事業承継税制や早期経営改善計画などの申請に必要な計画など、経営計画は一つではなく、目的ごとに数種類の計画があっても良いものです。

2.国が進めるデジタル・ファーストで税務はどう変わる?

 税務行政のデジタル化に向けた仕組み作り進んでおり、今後10年で、税務申告手続きなどにおいて紙からデジタルへの動きが見通されています。
 個人の所得税関係では、年末調整での保険料控除や住宅ローン控除において、控除証明書が電子化され、従業員がネット環境を通じて会社へ提出可能になり、会社の事務負担が軽減されます。医療費控除やふるさと納税などの還付申告を、スマートフォン等からできるようになります。
 企業関係では、電子申告が大企業は100%化され、中小企業も将来の100%化に向け、当面は85%化(現行75%)を目指すとしています。消費税税率アップや軽減税率の導入に向け、電子帳簿化が推進されます。

3.期中に役員給与を減額せざるを得ないときの注意点

 定期同額給与や事前確定届出給与は、原則として、期中に減額した場合、全額又は一部が損金算入を認められません。ただし、役員の地位・役位の変更があった、経営状況が著しく悪化した、役員給与の支給額を決める際に予測できなかった事由があれば、役員給与の減額後も損金算入が認められる場合があります。この場合は、その事由が「やむを得ない事情」かどうかによって判断されます。
 役員給与の支給額を決める際には、前年実績、利益計画、借入元本返済を踏まえ、よく検討したうえで、役員給与の額を決めなければなりません。

事務所通信2018年10月号 要約版

2019-03-14

1.相続時の配偶者の権利を大幅に拡大~改正民法(相続法)のポイント~
2.被災したとき・被災地を支援したときの税制上の支援
3.改正労基法施行前に知っておくべきこと 残業させるにもルールがあります

1.相続時の配偶者の権利を大幅に拡大~改正民法(相続法)のポイント~
 高齢社会の進展を踏まえ、残された配偶者の生活基盤の安定を図ることを主とした民法(相続法)の大幅な改正が行われました(平成30年7月13日公布)。
 改正では「配偶者居住権」が創設され、夫婦で住んでいた住居を配偶者以外の相続人が相続しても、残された配偶者がそのまま住み続けることができるようになりました。また、従来、婚姻期間が20年以上の夫婦間において、配偶者へ住居を生前贈与した場合には、遺産の先渡しとみなされ、遺産分割の際に、特別受益の持ち戻しが行われ、配偶者の取得財産が少なくなっていました。改正では、遺産の先渡しを受けたという取扱いをなくし、配偶者により多くの財産を残せるようになりました。

2.被災したとき・被災地を支援したときの税制上の支援
 自然災害によって法人や個人が被害を受けた場合、税制上の支援があります。法人の場合、復旧費用を修繕費として損金処理することが認められるほか、災害によって生じた損失による欠損金額の繰越控除や繰戻し還付が受けられます。個人の場合は、住宅や家財の損害について、所得税の雑損控除などが受けられます。
 被災した取引先や被災地を支援する場合にも優遇措置があります。法人が贈った取引先への災害見舞金や救援物資などは全額を損金(経費)にすることができます。
 個人で義援金などを贈る場合には、その自治体へ直接寄附するか、ふるさと納税を活用すれば、寄附金控除が受けられます。

3.改正労基法施行前に知っておくべきこと 残業させるにもルールがあります
 平成30年6月に、長時間労働の是正を柱とする改正労働基準法等(働き方改革関連法)が成立し、中小企業は2020年4月から施行されます。改正を前に、労働時間と時間外労働(残業)についてのルールを再確認しましょう。
 会社が法定労働時間(1日8時間・1週40時間)を超えて従業員に残業をさせるためには、会社と従業員との間で「時間外労働に関する協定」(通称36協定)を締結し、労基署へ届け出なければなりません。この36協定を締結すれば、原則として年360時間までの残業が認められます。また、繁忙期など、この限度を超えて残業をさせなければならない「特別な事情」がある場合には、「特別条項付の36協定」を締結することで、この限度時間を超えることが認められています。自社の36協定に不備がないか、確認しましょう。

事務所通信2018年11月号 要約版

2019-03-14

1.自社株式の現状を確認してみよう
2.修繕費か?資本的支出か?
3.折り返し点での業績比較のポイント

1.自社株式の現状を確認してみよう
 自社株式の中に名義株はないでしょうか。オーナー企業であっても、経営者が自社株式を100%保有しているとは限りません。会社設立時に、創業者が100%出資していても、家族、親戚、友人、従業員から株主として名義を借りたままになっていることがあります。
 名義株は、税務上、実質的な所有者である経営者の相続財産とみなされ、相続税の課税対象となります。経営面では、名義株主から株式配当金の支払いや買取りを請求される可能性もあります。
 事業承継に取り組む前に、名義株の有無を確認し、本来の株主の状態にすることが事業承継のスタートラインです。それから、具体的な事業承継計画を立てて、その過程で特例事業承継税制の適用の可否を検討しましょう。

2.修繕費か?資本的支出か?
 機械や建物の外装塗装、壁紙・床材の張り替え、車両の修理、ソフトのバーションアップなどの費用は、「修繕費」として支出した年度の経費にできるか、あるいは「資本的支出」として資産計上しなければならないか、税務上の判断が必要になります。その修理の内容が、固定資産の通常の維持管理、原状回復であれば、その費用の金額の大きさにかかわらず「修繕費」になります。
 建物の修繕工事の内容、機械設備の高性能化などによって、耐用年数が延びるなど、固定資産の価値や性能・耐久性を向上させる修理・改良であれば「資本的支出」として固定資産に計上します。

3.折り返し点での業績比較のポイント
 事業年度の上半期の終了点は、期末の決算に向けての折り返し点になります。半期の実績数値をもとに業績比較を行いましょう。
 損益計算書は、売上や利益、仕入、販管費の前期比較を行い、増減の要因について、例えば、得意先・製品・担当者別に売上を見る、仕入や製造原価は、単価の上昇、材料使用量、不良・ロスの増加の有無を確認する、など具体的に調べてみましょう。接待交際費や販売促進費、広告費の増加は、本当に必要な支出なのかを検討することも必要です。
 貸借対照表は期首比較を行い、損益計算書の利益の増加に見合う現金預金の増加がない場合、その要因は、売掛金や在庫の増加、固定資産の購入や借入金の返済なのかを確認します。損失の場合は、どのように資金調達が行われたのか、短期借入金や仕入債務の増加を確認しましょう。

事務所通信2018年12月号 要約版

2019-03-14

1.消費税率10%への引上げに伴う賃貸借・請負契約等の注意点
2.年末調整事務はここに注意~配偶者控除等申告書の様式変更~

1.消費税率10%への引上げに伴う賃貸借・請負契約等の注意点

 2019年10月1日から、消費税率が8%から10%へ引上げられます。賃貸借、リース、請負契約などで一定の契約については、10月1日以降の引き渡し等であっても、8%の税率が適用される経過措置があります。
 ○店舗や工場などの賃貸借やリース契約(資産の譲渡によるものを除く)は、2019年3月31日までに契約し、9月30日までに貸付けが開始されれば、10月1日以降も8%の税率が適用されます。
 ○請負契約の工事代金は、原則として引渡し時の消費税率が適用されますが、3月31日までの契約であれば、10月1日以降の引渡しであっても、8%の税率が適用されます。

2.年末調整事務はここに注意~配偶者控除等申告書の様式変更~

 配偶者控除及び配偶者特別控除等の大幅な見直しによって、今年の年末調整では、次の3点に注意が必要です。
 ①従来の「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」が、「保険料控除申告書」と配偶者控除等申告書」の2枚に分かれました。
 ②配偶者控除又は配偶者特別控除のいずれかの適用を受けるには、「配偶者控除等申告書」の提出が必要です。配偶者控除を受ける場合、昨年までは提出が不要だったため、提出もれに注意しましょう。
 ③新様式の「配偶者控除等申告書」には、給与所得者本人とその配偶者の本年中の「所得の見積額」と、「所得の区分判定」を記載します。

事務所通信2019年2月号 要約版

2019-03-13

1.外部環境の変化を分析して、自社の新しい戦略を考えよう
2.軽減税率の導入で請求書・レシートの記載が変わります
3.平成30年分 所得税の確定申告はここに注意!

1.外部環境の変化を分析して、自社の新しい戦略を考えよう
AI技術の進展、人口減少、商圏の変化、取引先・競合他社の動向など外部環境が急速に変化する中、その変化を「機会」と「脅威」の視点から洗い出し、そこから抽出した外部環境を見ながら、さらに内部要因として、自社の「強み」「弱み」を洗い出しましょう。
そのための手法がSWOT分析で、次4つの視点を可視化し、検討材料を明らかにします。
「機会」…市場・消費の動向、商品の需要を整理し、様々なビジネスチャンスを検討する。
「脅威」…自社の努力ではどうにもできない外部環境のマイナス要因を整理する。
「強み」…同業他社と比較して、具体的に「機会」に活かせる強みを考える。
「弱み」…成長発展や改革のネックとなる点を整理する。
これまで成立していたビジネスが成り立たなくなる前に、外部環境をきちんと捉え、自社の経営を再確認してみましょう。

2.軽減税率の導入で請求書・レシートの記載が変わります

消費税の軽減税率が導入されると、取引ごとに適用される税率(10%と8%)を区分経理する必要があり、現在の請求書の記載事項に新たな事項を追加する必要があります。
①2019年10月1日からは、簡易な措置として、現行の請求書の記載事項に「軽減税率の対象品目である場合はその旨」「税率ごとに合計した対価の額(税込)」を追加した「区分記載請求書等保存方式」が導入されます。
②2023年10月1日からは、「適格請求書等保存方式」(インボイス)が導入され、請求書の記載事項に、さらに「発行事業者の登録番号」「税率ごとに合計した対価の額(税込又は税抜)及び適用税率」「税率ごとに合計した消費税額」が追加されます。

3.平成30年分 所得税の確定申告はここに注意!

平成30年分の所得税の確定申告期間は、2月18日(月)~3月15日(金)です。
●個人事業者は、事業収入(事業上の売上、商品の自家消費や贈与、従業員への貸付利子、仕入割引、作業くずの売却代金など)と、必要経費(販売した商品の仕入代金、広告宣伝費、従業員給与、水道光熱費など事業に必要な経費)を正しく計算し、所得を算定します。
店舗併用住宅の家賃や水道光熱費など、事業上の経費と家事費が混在する費用(家事関連費)は、事業上必要な部分が明らかで、合理的に按分できる場合は、事業に必要な部分については、必要経費として認められます。
●サラリーマンなどの給与所得者の大半は、確定申告の必要はありませんが、医療費控除や雑損控除、上場株式の譲渡損の繰越しの適用を受ける場合や、ネットでの収入、生命保険の一時金など給与以外の所得がある場合には、確定申告が必要です。

事務所通信2019年3月号 要約版

2019-03-13
  1. 決算を機に、自社の財産の状況を確認・整理してみよう
  2. 税率引き上げ後も8%の税率が適用できる取引を確認しよう
  3. 4月1日改正労基法施行! 有給休暇の取得が義務化されます

1.決算を機に、自社の財産の状況を確認・整理してみよう

 自社の財産の中には、財務体質を悪化させるものがあります。一般に、業績の悪い企業ほど、売掛金、在庫、固定資産、仮払金や会社と役員間の貸し借りが多い傾向にあります。

 ①未回収のまま滞留している売掛金は、再請求書や督促状を相手方に送付し、債権があれば、その回収可能性を検討しましょう。

 ②もう売れない商品、処分すべき商品が長期間残っていれば、セールや廃棄などで処分します。

 ③使用していない固定資産(機械装置など)は、除却や売却を検討しましょう。  

 ④未精算の仮払金はすぐに精算し、貸借対照表に残高を残さないようにします。 自社の財産を洗い出し、無駄なものが決算までに整理し、スリム化をはかりましょう。

 2.税率引き上げ後も8%の税率が適用できる取引を確認しよう

 10月1日からの消費税率が10%に引き上げられますが、一定の取引については、3月31日までの契約であれば、10月1日以後の引渡しであっても、8%の税率が適用される経過措置があります。

 主なものに、建設工事や大型機械の製造請負(受注生産)や家賃、リースのほか、冠婚葬祭互助会の契約、新聞、テレビ、チラシ、カタログ、インターネット等による通信販売(通信教育や電子書籍の配信等を含む)、有料老人ホームの入居一時金などがあります。適用要件を確認し、駆け込み需要を取り込みましょう。 

3.4月1日改正労基法施行! 有給休暇の取得が義務化されます

 4月から、年10日以上の有給休暇(有休)の取得の権利がある従業員に対して、会社はそのうち5日分について有給休暇を取得させることが義務化されます。

 取得させる方法には、従業員ごとの有休消化日数を把握し、消化日数が5日未満であれば、会社が有休の取得日を指定する方法(個別指定方式)のほか、会社が計画的に有休取得日を指定する方法(計画的付与制度の導入)があります。

 計画的付与制度は、企業の実情に合わせて、①全社一斉に特定の日を有休にする、②部署、部門、営業所単位で有休をとる、③夏季(盆)、年末年始、ゴールデンウィークなどに合わせて、従業員一人ひとりの有休取得日をあらかじめ決める、などの方法があります。

 いずれの方法も、5日分の有休の義務化について、従業員自らが有休を取得した日数、計画的付与制度によって取得させた日数分は、義務化の5日分から除かれます。

事務所通信2019年4月号 要約版

2019-03-12

1.4月から労働時間の状況の把握が義務化!

2. 消費税:レジ等の対応に補助金を活用しよう!

3.資金繰りの落し穴

 1.4月から労働時間の状況の把握が義務化!~出勤簿への押印だけではダメ!

~  事業主(経営者)は、例えば、残業時間(残業代)を算定するには、必然的に従業員の労働時間の状況を正しく把握しなければなりませんが、労働基準法上は明文化されていませんでした。しかし、長時間労働の是正などを柱とする働き方改革関連法のなかで、労働安全衛生法が改正され、労働時間の状況を把握する義務が明文化されました。罰則はありませんが、労働基準法と合わせて、経営者の責務がより明確化されました。  労働時間の状況の把握方法は、具体的には、次の方法によります。  ①使用者が、自ら現認することにより確認する。  ②タイムカード、ICカード、パソコン使用時間の記録等を基礎として確認し、適正に記録する。

3. 資金繰りの落し穴 急激な売上の増加や落ち込みには要注意!

2. 消費税:レジ等の対応に補助金を活用しよう!~補助率や対象が拡大!~

 消費税の軽減税率の実施に伴い、複数税率に対応したレジの導入や電子的受発注システムの改修が必要となる中小事業者を対象に、その費用の一部を補助する「軽減税率対策補助金」があります。  本年から制度が拡充され、新たに「区分記載請求書等保存方式」に対応したシステムの改修・機器の導入の費用が補助対象となったほか、補助率の引き上げ(3分の2から4分の3)や、対象業種の追加(旅館・ホテル等の一部)が行われました。  申請は、事業者自身が行う場合は、9月30日までに導入・改修、支払いを完了し、12月16日までに申請します(事後申請)。あるいは、改修等を指定事業者に依頼する場合は、6月28日までに交付申請を行います。

一般に、取引は掛け(掛売上、掛仕入)で行われるため、売上の増加に伴って売掛金も増加し、売上の増加に先行して仕入れも増え、買掛金も増加します。通常は、売掛金の回収と仕入れ・販管費の支払いのサイトにズレがあるため、利益と資金は一致しなくなります。帳簿上は利益が計上されていても、資金が残っているとは限りません。 売上が急激に伸びたときは、仕入も急増しますから、資金繰りが厳しくなります。反対に、売上が急に落ち込んだときは、仕入の減少とともに買掛金が減少し、さらに売上が順調な時の売掛金が回収されることから、一時的に資金繰りが良くなることがあります。これを「業績が良い」と錯覚すると、落ち込みへの対応が遅れることがあります。

Copyright(c) 2014 宇佐見会計事務所 All Rights Reserved.
Top