8月, 2016年

一般労働者派遣事業等における監査証明(監査報告書)について

2016-08-28

1.はじめに
2.監査の作業場所
3.監査対象
4.料金
5.報告書の日付
6.そもそも監査報告書が必要なのか?

1.はじめに
 最近、当ホームページを見たといって、監査証明(以下、監査報告書)の発行を依頼されることが増えてきています。
 新しい仕事の機会をいただくこと、会社との新しいご縁ができるという点で非常にありがたいことなのですが、取扱件数が増えてくるに従い、様々な問題も現れてきたので、トラブルなく気持ちよく取引ができるよう、監査報告書発行のご依頼を受ける際の方針を決めました。

2.監査の作業場所
・監査作業は会社に直接伺って行います。
 監査報告書の発行は、会社の決算書(貸借対照表と損益計算書、以下B/S、P/L)を監査する必要があり、
(1)残高の多い勘定科目
(2)前年度末と監査の対象となる月の残高と比較して、増減額の大きい勘定科目
を中心に実施します。
 その際、決算書作成の元となる試算表、総勘定元帳、仕訳帳を閲覧しますが、その他に領収証や請求書、預金通帳等の証憑もチェックし、金額・内容が正しいかどうか確認します。
 当初、会社を訪問せず、監査に必要な書類を、メールや郵送でやり取りして対応することも想定していましたが、
・監査に必要な証憑が届いていない、もしくは追加で確認したい証憑が欲しいが、再度資料の依頼をすると時間がかかる。
・会社が原本を送るのは紛失時にトラブルになる。
・紛失を防ぐためコピーを送り対応をとるが、コピーだと改ざんの恐れがある。
 このようなケースが生じ、監査の品質が十分に確保できなくなるため、監査を行う際は、会社へ直接お伺いすることにいたしました。
 
3.監査対象
・B/S、P/Lが作成されていない場合には、監査契約をお引き受けしません。
監査報告書には、「貸借対照表と損益計算書について監査した」という文言が入ります。
年度末にはどの会社もB/S、P/Lを作成し税務署に届けますが、年度末以外の月では、残高試算表のみを作成している会社が多く見られます。
監査報告書は、「B/S、P/L」について監査意見を表明しますので、「試算表」は監査のためのチェック資料になりますが監査の対象になりません。
もし監査を実施した場合、監査報告書に嘘を書くことになります。
また、「B/S、P/Lもないけど、“預金通帳”と“資本金を記載した登記簿謄本”ならあるので、監査をお願いします」という依頼もありますが、B/S、P/Lが存在しない以上、監査契約は締結できません。

4.料金
・監査報告書発行のための最低料金を定め、この金額以下ではお引受しないこととしました。
   打合せ時間料  作業時間料 証明書発行料 合計 追加監査時間
新規許可申請 1時間(2万円/時)  1日7時間(2万円/時) 10万円 25万円 2万円/時
更新許可申請 1時間(2万円/時)   4時間(2万円/時) 5万円 15万円 2万円/時
消費税が別途かかります。

監査依頼の連絡をいただく際、当然ながら必ず料金の事が出ます。
 電話やメールでは、依頼会社の規模がわからないため、監査に要する作業時間を見積もることができません。
 あらかじめ試算表などを送っていただくことにより、ある程度必要時間の算出はできますが、実際に監査作業をしないことには正確な時間はわかりません。
 一方、依頼する会社にとって、予算の関係上監査にかかる費用、時間は最小限にしたいものです。
 そこで、今までの経験をもとに、必ずかかっている必要最低時間を考慮して、監査報告書発行のための最低料金を設定しました。ただし会社の規模、監査の進捗によっては、最低料金に相応する時間では終了せず、追加時間に従い追加料金が発生します。
 また、料金について補足です。
 監査実施場所は上述2.の通り、会社にお伺いして実施します。
 そのため、遠方の会社から依頼を受けた場合は、会社までの交通費を料金に加算します。
 例えば、大阪の会社に監査に行く場合、通常の報酬プラス東京から大阪までの新幹線及び会社までの電車代を加算します。
 なお、当事務所は東京都内のため、都内及び関東近県(新幹線、特急を利用しない範囲)については別途交通費をいただきません。

5.監査報告書日付
・監査報告書の日付は、原則入金のあった日とし、前日付をご希望の場合は前金にて報酬をいただきます。
 監査報告書の日付は、今までは会社の希望日とし、報告書提出後請求書を発行していました(入金期限は多くは当月末)。
 ところが、件数が増えてくるに従い、監査終了後に請求書を発行してもなかなか入金されず、数か月入金がされないこともあります。
 料金を最初にはっきり決めなかったこと及び、会社からの事後値引きに対応し料金が変動したことが原因ですが、料金を頂かないと、監査報告書発行という責任の重い業務を無報酬で引き受けることになります。
 そのため、料金収受を確実に行うために、入金日を以て報告書を発行し、例外として、例えば前月末の日付等前の日付をご希望の場合、4.料金で定めた最低料金、つまり新規許可申請の場合は25万円、更新許可申請の場合は15万円(消費税別)をいただいてから監査を実施します。

以上数点にわたり取り決めを行いご面倒をおかけしますが何卒ご理解ください。

6.そもそも監査が必要なのか?
 上記2~5のとおり、一般労働者派遣事業等における監査報告書の発行について、様々な取決めをしましたが、人材派遣業の新規登録及び更新において公認会計士の監査報告書が必要になるのは、
・前年度末の決算で3つの要件(基準資産、負債比率、現預金)のいずれかを満たさなかったが、
・その後翌事業年度までの任意の月ですべての要件を満たした
場合に限られます。
 従って、年度末の決算で要件をすべて満たした場合には、監査報告書の発行は必要とされません。
 監査報告書の発行には決して安くはない料金がかかります。人材派遣業・人材紹介業の新規登録及び更新において、
・年度の途中で要件を満たしたからといって、わざわざ公認会計士に時間と費用をかけて監査をお願いする理由はあるか?
・監査報告書の必要のない年度末まで待って申請してはいけないのか?
を今一度ご検討ください。
 以前、監査報告書発行のご依頼をいただいた後、役員会で決算まで待つことにして監査の依頼をキャンセルした会社がありました。
 当事務所としては仕事がなくなり残念ですが、経営者の立場からは賢明な判断とも考えられます。

Copyright(c) 2014 宇佐見会計事務所 All Rights Reserved.
Top