8月, 2015年

交際費か?給与か?

2015-08-12

1.税務における交際費とは?
2.社長・役員の個人的な支出は役員賞与
3.役員賞与に認定されると税の負担が増える

1.税務における交際費とは?
税務において交際費とは、得意先や仕入先など、事業に関係する人への接待(飲食、ゴルフ等)や贈答(お中元、お歳暮等)などのために支出する費用のことを言います。
ただし、従業員の慰安のために社内旅行に行ったり、会議のための弁当代を負担するなどの通常要する費用、また、外部の事業に関係のある人との1人当たり5,000円以下の飲食費は、交際費の範囲から除かれます(少額交際費として損金算入が認められます)
また、会社が交際費として支出した費用のうち、事業に関係ないものや、使い道が明らかでないもの(使途不明な交際費とされ、追加で税が加算されます)は、損金に算入することができません。

2.社長・役員の個人的な支出は役員賞与
平成25年度の税制改正により、中小企業(資本金1億円以下)の交際費は、年間800万円までは全額損金に算入することができます。
実務においては、社長や役員が個人的に支出したとみなされるもの(事業に関係ない人といったゴルフプレー費、家族との食事代等)が、交際費として処理されていることもあります。
このような場合は、交際費でなく社長や役員への賞与(役員賞与)とみなされます。これは損金に算入できません。

3.役員賞与に認定されると税の負担が増える
交際費は、税務調査においても重点的に調査されることが多いです。今まで交際費として損金算入されていたものが社長・役員への賞与として認定されると、法人税がその分かかることになります。
日常から事業に関係のある支出(交際費)と個人的な支出は区別しておきましょう。

交際費の判定のポイント
(1)支出の相手:得意先や仕入先などの事業関係者か?
(2)支出の目的:親睦を深め、取引を円滑にするための目的か?
(3)行為の内容:接待、慰安、贈答など

SnapCrab_NoName_2015-8-12_19-54-26_No-00

間違いやすい消費税の処理

2015-08-12

間違いやすい消費税の処理
1.リース取引における処理の誤り
2.返品・値引処理の誤り

昨年4月に消費税が8%に引き上げされ、1年半が経過しています。消費税の価格転嫁についいては「中小企業における消費税の価格転嫁にかかる実態調査」によると、60%以上の経営者がすべて「転嫁できている」と回答がありました。

1.リース取引における処理の誤り
(例1)
A社はコピー機や車両をリース(オペレーティングリース注)により賃借している。コピー機は経過措置の適用対象であるが、車両は適用外のため、施行日(2014年4月1日)以降、消費税率を5%の物件と8%の物件に区別する必要があった。しかし、経過措置適用のコピー機のリース料についても8%で処理していた。
(解説)
コピー機については、経過措置適用のオペレーティングリース取引なので、2014年4月以降でもリース料は5%で処理しなければなりません。一方、車両については経過措置不適用なので、2014年3月31日までのリース料は5%、2014年4月1日以降のリース料は8%で処理します。
注:オペレーティングリース
残価査定額がリース料から控除されているなど、ファイナンスリース取引以外のリースをいいます。このリース取引の場合、指定日(2013年10月1日)以前に契約し、一定の条件を満たせば経過措置の適用を受けることができ、施行日(2014年4月1日)以降も消費税率は5%のままとなります。

図1:オペレーティングリース取引の経過措置の適用と不適用による消費税率の違い
・経過措置が適用される場合

・経過措置が適用されない場合

例2
B社は、会社の車3台をリースにより賃借していたが、そのリース取引が経過措置の適用を受けないオペレーティングリース取引にもかかわらずファイナンスリース取引注と認識して、施行日以降のリース料も消費税5%で処理していた。
(解説)
車3台のリース取引は、経過措置不適用のオペレーティングリース取引なので、施行日以降のリース取引は8%で処理する必要があります。
注:ファイナンスリース取引
原則売買取引とされ、リース資産の引渡時点の消費税率が適用されます。特例で、支払の度にリース料を費用計上することが認められていますが、この場合でもリース資産の引渡時点の消費税率が適用されます。

図2:ファイナンスリース取引の消費税率

2.値引・返品などの処理の誤り
例3
卸売のC社は、2014年3月10日に商品Eを得意先に販売・納入したが、4月に入って得意先から返品の要請があり、今後の取引もあることから4月20日に返品を受け消費税率8%で処理した。
解説
商品Eについては、経過措置で消費税5%で処理しなければなりません。施行日前に売上計上した商品等が施行日以降に返品となった場合、売上を計上した時点の消費税率で返品処理をすることになるからです。

例4
製造業のD社は204年2月に受注し製品を3月に納品して売上を計上したが、後日注文数に食い違いが生じてクレームとなった。結局値引で対応することになったが、対応に手間がかかり値引処理が4月になったので、消費税率は8%で処理した。
(解説)
この場合における値引処理は、経過措置により消費税率5%で行わなければなりません。施行日前に売上計上した商品等については、売上を計上した時点の消費税率で値引処理をすることになるからです。

図3:2014年3月10日に販売した商品Eが4月20日に返品になった場合の消費税処理

消費税の処理間違いを防止するためのチェックリスト
□①施行日をまたぐ取引について税率は誤りがないか請求書をよく確認しているか。
※消費税の仕入税額控除の請求額等の記載要件と同時に消費税率等についてもチェクします。
□②返品や値引などで、税率に誤りがないように返品等の商品等の販売(仕入)時点などを確認した上で処理しているか?
□③リース取引についてはその契約の内容を確認しているか。
※リース契約等で、ファイナンスリース取引かオペレーティングリース取引か、経過措置が適用されているかなどの確認が必要です。
□④クレジットカードの請求書がある場合、領収書、利用明細書等により各取引の消費税率を確認しているか。
※旧税率(5%)が混在している場合があります。

Copyright(c) 2014 宇佐見会計事務所 All Rights Reserved.
Top