7月, 2015年

夏祭りの協賛金等の税務上の取扱い

2015-07-23

夏祭りの協賛金等の税務上の取扱い

1.法人税の取り扱い

2.消費税の取り扱い

 

1.法人税の取り扱い

夏本番になりましたね。各地でお祭りも多く開催されることと思います。

夏祭りなどに協賛金を支出したり、お神酒などの物品を購入して贈答した場合は、法人税上は通常「寄付金」として処理することが多いですが、場合によっては「広告宣伝費」として処理することもできるケースもありますので、注意が必要です。

(1)寄付金として処理されるケース

協賛金の支出や物品等の提供により、企業名の提示などの特典を受けることがない場合は、支出の内容にかかわらず寄付金として処理されます。

寄付金は支出した事業年度において、以下の算式により計算された限度額までが損金として算入できます。

(損金算入限度額の計算式)

(資本金等の額X 当期の月数/12X 2.5/1,000+ 所得の金額X 2.5/100)X1/4=損金算入限度額

※「所得の金額」は、支出した寄付金額を損金に算入しないものとして計算します。

計算例:資本金2,000万円、所得金額280万円の1年決算の法人の場合

(2,000万円X12/12X2.5/1,000+280X2,5/100)X1/4=3万円

この法人の場合、3万円が損金算入限度額となります。

 

(2)広告宣伝費として処理されるケース

不特定多数の者に対する宣伝効果を意図して支出した場合は、イベントの開催日において広告料としての相当額を広告宣伝費として処理します。

たとえば、

・祭りのうちわや会場の提灯などに企業名が協賛として掲示されている。

・祭りのホームページやパンフレット、プログラムなどに企業名が協賛として記載されている。

・花火大会などで、花火が打ち上げられるときに企業名や商品名がアナウンスされる。

 

2.消費税の取り扱い

協賛金などの寄付金は、対価性のある取引ではないので、課税仕入れになりませんが、当該協賛に広告宣伝などの対価性が認められる場合は課税仕入れとなります。

また、お神酒などの物品で寄付した場合は、購入代金は課税仕入れとなります(ただし、商品券、ビール券などを購入した場合は非課税取引になります)

※対価性:支出により資産やサービスの給付を受けることであり、対価性のない取引には消費税は課税されません。

協賛金の消費税判定フロー

業績悪化を理由に役員報酬の減額が認められる場合

役員報酬の損金算入について

2015-07-23

役員報酬の損金算入について

1.損金算入ができる範囲は?
2.役員報酬の改定の時期
3.年度の途中で役員報酬を改定する場合

1.損金算入ができる役員給与は?
法人税法では、役員に対して支払う報酬や賞与を「役員給与」といいます。
「役員給与」は以下の要件を満たせば、「役員報酬」として損金算入が認められます。
(1)役員給与の支給が毎月行われること
(2)支給額が年間を通じて定額であること

一部が損金として認められない役員報酬の改定
3月決算法人が10月に役員報酬を増額した場合

2.役員報酬の改定の時期
役員報酬の損金算入の要件は、年度を通じて同額であることであり、年度の途中で増額もしくは減額をすると、一部が損金として認められなくなります。
ただし、決算終了後の定時株主総会などで、毎年所定の時期に改訂が行われる場合は「役員報酬」とみなされ全額を損金に算入することができます。そのためには以下の要件を満たす必要があります。
(1)年度の始まりから3か月以内(おおむね定時株主総会の開催まで)に改訂を行うこと
(2)年度内において改訂前の毎月の支給額が同額であること
(3)改定後の支給額が同額であること
株主総会で改定を行う場合には、議事録等を作成し記録を残し、保管しておきましょう。

たとえば、役員報酬の支給を毎月25日とする12月決算の法人が、3月24日開催の定時株主総会で報酬額を40万円から50万円に増額する決議を行い可決したのち、3月25日または4月25日から増額後の報酬を支給する場合は、増額後の50万円が全額損金として認められます。

3月24日の株主総会後、4月25日支給分より40万円から50万円に増額した場合

3.年度の途中で役員報酬を改定する場合
業績や資金繰り悪化により、やむをえず事業年度の途中で役員報酬の減額を行う場合もあります。この場合、減額の理由がやむを得ない事情があれば減額後の役員報酬も全額が損金算入できます。
やむを得ない事情とは、以下の状況があげられます。
(1)財務諸表の数値が相当程度悪化している
(2)会社が倒産の危機にふんしている
(3)経営悪化により、利害関係者(株主、債権者、金融機関等)との関係上、役員給与を減額することになった。
一時的な資金繰りの悪化、あるいは単に予算を達成できなかったという理由は、やむを得ない事情になりませんのでご注意ください。

例を挙げると、
(1)銀行との間で借入金の返済期限延長や条件緩和(リスケジュール)をするため、役員報酬を減額することになった。
この場合、銀行との交渉時に作成した返済計画、資金繰り表などをもとに、減額の理由を明らかにします。

(2)業績や財務状況、資金繰りが悪化したため、取引先からの与信を維持するために、役員報酬の減額を盛り込んで経営改善計画を策定した。
この場合、減額する期間、減額の効果など、取引先が納得する経営改善計画を策定することが必要です。

業績悪化を理由に役員報酬の減額が認められる場合

4.まとめ
以上のように、役員報酬は年度の途中で改定すると、原則として一部が損金として認められなくなりますので、役員報酬の改定時期については、次年度の経営計画の策定時期において、会計事務所とよく相談したうえで慎重に検討しましょう。

改定相続税法の施行

2015-07-22

平成27年1月1日から改定された相続税が適用されました。今まで相続税がかからなかったゾーンの人も相続税が課税されるケースが出てきます。
1.基礎控除額の大幅に縮小
2.税率の区分が8段階になり最高税率が55%に引き上げ
3.宅地の評価額を8割減額する特例の限度面積が拡大

1.基礎控除額の大幅な縮小
相続税は、課税遺産総額(相続財産(遺産)-基礎控除額)を法定相続人ごとに法定相続分で按分した価額に超過累進税率をかけて計算します。
相続税の計算に大きく影響する基礎控除額について、現行と改定後の計算方法は以下のようになり、大幅に縮小されます。その結果、今までは課税対象とならなかったゾーンの人も相続税が課されるケースがでてきますので、注意が必要です。
(基礎控除額の縮小)
基礎控除額の縮小
たとえば、4人家族(夫婦+子ども2人)のご主人がなくなり、相続財産が7,000万円だったケースでは、下表のように相続税がかかりません。しかし今後は基礎控除額が8,000万円から4,800万円に縮小されるため、相続税が課税されることになります。
基礎控除額は、法定相続人(民法で定められている、相続する権利がある人)の人数により金額が異なってきます。改定後の法定相続人の人数に応じた基礎控除額の比較は下記の表のようになります

(例:4人家族(夫婦+子ども2人)のご主人が亡くなったケースの相続税課税)
被相続人(亡くなった人):ご主人、法定相続人:3人(奥さん+子ども2人)、
相続財産:7,000万円

課税財産の計算
(法定相続人の人数ごとの基礎控除額の新旧比較)
法定相続人の人数ごとの基礎控除額の新旧比較

2.税率の区分が8段階になり最高税率が55%に引き上げ
相続税の税率区分が現行の6段階から8段階に増加し、さらに最高税率が従来50%だったのが55%に引き上げられました。
このため、相続による各法定相続人の遺産取得金額が2億円以下の場合は、従来と税率が変わりませんが、2億円を超えると、税率の引き上げと基礎控除の縮小が重なり、かなり負担が増えるケースもでてきます。
(相続税率の改定に伴う速算表)
相続税率の改定に伴う速算表



 

階の高い税率が適用される「超過累進税率」の構造になっています。

3.宅地の評価額を8割減額する特例の限度面積が拡大
相続により以前被相続人(亡くなった人)が居住していた宅地等がある場合、「小規模宅地等の特例」により当該宅地等の相続税評価額を80%減額することができます。今回の改訂により、この特例の対象となる宅地等の面積が、従来は240㎡でしたが、現在は330㎡に拡大されました。
たとえば、この特例の対象となる330㎡の宅地等を相続した場合、従来は240㎡までの部分しか、評価額を80%減額できませんでしたが、現在では330㎡まで80%減額できます。
また、80%減額について、事業用宅地等(今回の改定で適用限度が400㎡まで拡大されました)と居住用の特例を併せて適用することができます。したがってこの場合合計面積は730㎡まで拡大されます。

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毎月の業績を正しく把握する~現金主義と発生主義~

2015-07-22

1.現金の動きをみるか、商品の動きをみるか
2.現金主義と発生主義の違い
3.発生主義を採用する効果
4.月次決算の精度を高める

1.現金の動きをみるか、商品の動きをみるか
会計処理(記帳)の方法には、現金主義と発生主義があります。
現金主義とは、現金の動きを見て、取引を計上(記帳)する会計処理です。一方発生主義とは、商品の出荷、納品、入庫などモノの動きをもとに取引を計上(記帳)する会計処理です。
税務署や金融機関は、発生主義による決算書を求めているため、期中において現金主義で会計処理をした場合でも、期末には発生主義に修正する必要があります。

2.現金主義と発生主義の違い
両者の違いを説明するために、販売取引と仕入取引を例にします。
(1)販売取引による違い
現金主義の場合、代金の入金(売掛金の回収)があった時点で売り上げを計上します。そのため、商品を販売した時点(出荷や納品したとき)では、売上や売掛金は計上されていません。
発生主義の場合、商品を販売した時点(出荷、納品をしたとき)で売上や売掛金を計上します。
(2)仕入取引による場合
現金主義では、仕入代金を支払った時点で仕入を計上します。そのため、商品を仕入れた時点(入庫したとき)では、仕入や買掛金は計上されていません。
発生主義の場合、商品が到着し納品(入庫)した時点で仕入や買掛金が計上されます。

3.発生主義を採用する効果
発生主義は、現金の入出金とは無関係に売上や仕入を計上するため、毎月の業績を正しく把握することが可能です。
また、発生主義では商品の引き渡しと同時に売掛金が計上され、仕入先からの納品時に買掛金が計上されるため、資金繰りの予定が早めに把握でき、請求や回収もれの防止にも役立ちます。

4.月次決算の精度を高める
販売・仕入以外、例えば経費などでも毎月の損益に大きな影響を及ぼすものについても、発生主義で計上する必要があります。
(1) 未払の経費を月末に計上する
現金主義では、広告宣伝費などの販売費や管理費(家賃、水道光熱費、保険料など)は、実際に支払った月の経費に計上されます。
しかし、通常、発生した月と支払う月にはズレが生じるために、月次の損益に大きな影響を与える経費もあります。そのような経費については、請求書や納品書、契約書などにもとづき、未払金や未払費用として発生した月に計上します。
(2) 年払いの経費などを月割計上する
労働保険料や固定資産税、損害保険料など、年に1度特定の月にまとめて支払う類の経費には、特定の月の経費が多額に計上されてしまうことで月次の損益に影響を及ぼすものもあります。
このような経費を月割計上することで、発生額が平準化され、労働保険料の支払月に費用負担が集中し、月次の損益が大きく変動することを回避できます。
(3) 毎月、在庫を計上する
毎月末の在庫を計上することで、毎月の売上原価と粗利益(売上総利益)を把握することができます。正確に月末の在庫を把握するためには、毎月、実地棚卸を行うことが理想ですが、実際はなかなか実施できません。
そのため、予定原価率を用いて在庫の金額を概算で計上したり、棚卸の対象とする商品を毎月変えたり、在庫金額の大きい商品に限定する、という方法も考えられます。
(4) 減価償却費を毎月計上する
機械装置や建物、車両などの固定資産の減価償却費は、期末に一括して計上しますが、年間の見積額を基に、毎月月割で計上します。
これにより、減価償却費の形状を平準化し、毎月の業績に反映させることができます。

中小企業が会社法上の計算書類等を作成する際の会計処理基準を示す「中小会計要領」では、「収益・費用の基本的な会計処理」として発生主義による会計処理を要求しています。

 
 
 
 
 

外形標準課税とは?

2015-07-22

1.中小企業への課税の改革案
2.外形標準課税は?

1.中小企業への課税の改革案
政府税制調査会は、平成27年度の税制改正に向けて、法人税率を下げる一方、法人課税を広く負担を求めるための具体策として、現在は資本金が1億円超の企業に課されている「外形標準課税」の対象を拡大し、資本金が1億円以下の中小企業への導入を検討しています。

2.外形標準課税とは?
(1)所得のみを基準とした法人事業税→企業規模、資本金等の外形的標準も課税標準
法人事業税は、季語湯が事業活動を行う上で、地方自治体の様々なサービスを受けていることから、このコストを相応に負担すべきとの考え方に基づき課税されるものです。したがって、本来は企業が赤字黒字にかかわらず、法人事業税を公平に負担することが望ましいと考えられます。
しかし、法人事業税は、従来は所得を標準とした課税のみが行われていたために、実際には黒字企業のみが課税され、赤字企業には負担がないという不公平感がありました。
そこで、上記のような課税の不公平感をなくすために、広く公平に徴収するために、平成16年度から、資本金1億円超の企業を対象に、所得以外の外形的な標準(企業規模や活動の大きさを示す付加価値額や資本金等の額)に対して課税される「外形標準課税」が導入されました。
(2)現在の仕組み→大企業に実施されている外形標準課税の仕組み
現在、資本金1億円超の企業に実施されている「外形標準課税」の対象法人は、全体の4分の3が所得を基準として課税され、4分の1は所得以外の所得以外の外形(付加価値額と資本金等の額)を標準として課税されています。
4分の1の外形標準の税額の計算は、給与総額や不動産賃貸料などの金額をもとに計算した付加価値額に一定の税率を乗じて算出した「付加価値割」と資本金等の金額に一定の税率を乗じて算出した「資本割」の合計となります。

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確定申告に必要なもの

2015-07-03

確定申告を行う際には、所得(収入ー支出)がわかる資料と

所得控除・税額控除のために必要な証明書を、事前に用意する必要があります

Ⅰ.所得(収入ー経費)

1.事業所得(個人で事業を行っている方)

(1)青色申告の方:決算書一般用

(2)白色申告の方:収支内訳書一般用或いは収支内訳書農業用

(3)収入金額のわかるもの(現金出納帳、通帳、売上集計表、売上日報、源泉徴収票、受領した支払調書など)

(4)必要経費のわかるもの(通帳、領収書、請求書、経費集計表など)

不動産所得(不動産を賃貸している方)

(1)決算書不動産用(青色申告)、収支内訳書不動産用(白色申告)

(2)収入金額のわかるもの(現金出納帳、通帳、契約書など)

(3)賃借人の氏名、家賃月額、賃借期間、敷金、礼金などがわかる資料

(4)必要経費のわかるもの(通帳、領収書、請求書、銀行振込書、借入金の支払明細、固定資産税領収書、保険金領収書、管理費など)

2.給与所得・雑(年金)所得(給与所得や年金所得のある方)

(1)給与所得の源泉徴収票(原本)

(2)公的年金等の源泉徴収票(原本)

(3)健康保険、国民年金保険料等を支払ったことのわかるもの

(4)生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書

(5)住宅ローン控除がある場合は、借入金の年末残高証明書と給与所得者の住宅取得等特別控除申告書

3.配当所得(株式の配当所得のある方)

(1)支払調書、支払通知書

4.退職所得(退職所得のある方)

(1)退職所得の源泉徴収票(原本)

5.譲渡所得(土地や建物など不動産を譲渡した方)

(1)譲渡所得計算明細書

(2)売買契約書のコピー、登記簿謄本等

(3)必要経費のわかるもの(仲介手数料や印紙など)

(4)売却不動産の購入時の契約書や登記料など

(5)居住用不動産の譲渡の場合は住民票

6.その他の所得(満期保険金を受け取った方、株式の売却などのある方)

(1)収入のわかるもの(通帳、計算明細書など)

(2)原価のわかるもの(契約書、領収書、計算明細書など)

 

Ⅱ.所得控除・税額控除に関する添付書類

1.所得控除

 1.医療費控除

(1)医療費控除の内訳書

(2)医療費の領収書、領収書がない医療費の支出明細

(3)保険金などで補填される金額のわかるもの

 2.雑損控除

(1)損失額の明細書

(2)被災証明書、盗難証明書

(3)災害関連支出の領収書

(4)保険金などで補填される金額のわかるもの

 3.寄付金控除

(1)政党等寄付金特別控除の計算明細書

(2)寄付金の領収書、証明書

 4.社会保険料控除

(1)国民健康保険料を支払ったことのわかるもの

(2)国民年金保険料を支払った明細書(社会保険料(国民年金保険料)控除証明書)

(3)小規模企業共済等

5.掛金控除

(1)支払掛金の証明書(小規模企業共済等掛金払込証明書)

(2)生命保険料控除・損害保険料控除

(3)保険料を支払った証明書(生命保険料控除証明書/地震保険料控除証明書)

6.その他

配偶者控除や扶養控除等の人的控除を受ける場合、下記の情報が必要となります。

(1)配偶者の氏名、生年月日、収入の有無

(2)扶養家族の氏名、生年月日、収入の有無

 

税額控除

1.住宅ローン控除

(1)住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書(金融機関から交付)

(2)家屋またはその敷地の登記簿謄本か抄本(初年度のみ)

(3)取得価額を証明するもの(売買契約書、工事請負契約書のコピーなど)

(4)新築の住所が記載されている住民票

2.その他(還付)

(1)還付先の銀行口座情報

(2)印鑑(認印で可)

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