11月, 2014年
税務顧問(会計顧問)の選び方
1.どうやって見つけるの?
2.どんな税理士を選んだらいいの?
3.税理士選びの失敗例
1.どうやって見つけるの?
税理士って、全国に75,000人くらいいるそうですが、表に出ることが少ない資格なのか、「知り合いに税理士がいない」っていう人も多く聞かれます。
日本税理士連合会のHPより
http://www.nichizeiren.or.jp/guidance/intro/registrant.html
公認会計士はもっと少なくて、全国で33,000人程度です。しかも公認会計士のほとんどは監査法人に勤務しているので、もっと認知度が少なく、「知り合いに公認会計士はいない」人が多いです。
日本公認会計士協会のHPより
http://www.hp.jicpa.or.jp/ippan/about/outline/
知り合いに税理士がいない状態で、どうやって顧問になってくれる税理士を探したらいいでしょうか?
(1)近所の税務署に行く
税務署には(特に東京)、税務署の管轄区域(必ずしも市町村で一致しません)で開業している税理士を開示しています。
ただし名前しかなく、住所等記載がないので、顧問をお願いするのは難しいでしょうね。
(2)税理士が主催する相談会に参加してみる
特に確定申告(3月15日)が近付く頃は、税務署と税理士と共同して無料相談会などを実施していることが多いので、そこに参加して相談するのもいいかも。
確定申告の時期でなくても、定期的に相談会を開催しているので、チェックしてみてはいかがでしょうか?
(3)知り合いに税理士を紹介してもらう
知り合いの税理士なら、ある程度信用もできるし、初対面でも「○○さんに紹介されました」と言いやすいので、話がしやすいです。
その税理士の知り合いの税理士を紹介してもらうこともできます(意外と税理士同士のつながりは多いですよ)
(4)yahooやgoogle等の検索サイトを利用して見つける。
今では多くの税理士が自分の事務所のホームページを作成し、ブログも持っています。
私の場合ですが「税理士 目黒区」とかのキーワードを入れて検索すると、税理士として見つけることができます。
ホームページの内容を見て、気になったら問い合わせてみてはいかがでしょうか?
(5)色々な異業種交流会に参加する。
今は税理士も色々な異業種交流会に参加しています(東京商工会議所主催の交流会など)。
参加する税理士のほとんどは、顧問先を探しに来ていますので、そこで知り合いになれば顧問になってくれると思います。
2.どんな税理士を選んだらいいの?
経営者の多く、特に会社を設立して間もない経営者は、「税理士はどんな仕事をしているのか」「税理士ってたくさんいるけど、特徴がわからない」などという疑問を持たれていると思います。
ただなんとなく、税理士を選んでしまって、「こんなはずではなかった!」なんてことにならないように、最初に選ぶときに注意しておきたいポイントを記載します。
(1)人柄
税理士も人間です。年齢、性別も違っており、また、各人が違った性格を持っています。
温厚な性格の税理士もいれば、怒りっぽい税理士もいます。また、話好きな税理士もいれば、黙々と作業をする税理士もいます。経営者の方、担当の方も人間ですし、税理士も人間です。最初は「相性が悪いな。」と思っていても、付き合っていくうちに相性があっていくこともあります。お互いに関係をよくして、長い付き合いをしていこうという姿勢が必要だと思います。
経営者及び税理士と直接かかわる担当の方にとって対応しやすい、もしくはストレスのかからない税理士と付き合っていきたいですね。
以下、税理を選ぶ際に注意したいポイントを記載していきます。
①「顧客からの目線」を持っているか?
税理士もビジネスとして行っているので、サービスの内容や業務の品質は価格によって変わってきます。
税理士業界に限らず弁護士、公認会計士等の士業の業界は、古くから法規制により守られてきたため、基本的に「顧客満足」を追求する姿勢や「サービス業」としての認識は希薄です。
もちろん、顧客に対して「より良いサービスを届ける事」をモットーとしている税理士も年齢を問わず数多くいます。
どうせ顧問にするなら、後者のような「顧客からの目線にたった」税理士と関わりたいですよね。どうすればいいのか?といえば、1に記載したように、多くの税理士と会うのが一番の方法です。
もし、その中で税理士と会った時には、以下のような点に注意してみてはいかがでしょうか?
- 料金、サービスなど、契約の条件について説明があり、あいまいにしているところはないか?
- ふんぞり返ったり、足を組んだりして説明するなど、偉そうな態度を取っていないか?
- サービスを向上させよう、会社をよくしていきたいという意気込みが感じられるか?(話が上手である必要はないと思います。話が下手な税理士もいますので。熱心に話を聞いてくれて対応してくれるとうれしくなりませんか?)
②条件を明示してくれるか
以前は、税理士自身が自社の料金表を持たず、その場に応じて顧客ごとに高い顧問料を請求することが多かったのですが、今では、料金表も持ってない税理士は信用できないですね。何をしてくれるのか、どのくらい料金がかかるのか後でだされても困ります。これは税理士の人柄にも影響するのでしょうね。
顧問契約を結ぶ前に、料金の確認とサービス内容をしっかり確かめましょう。そして疑問点は説明を求めましょう。
③レスポンスが早いか
せっかく顧問になっても、質問にすぐ回答が来なければ、会社としても迅速な対応ができません。所長も忙しいのはわかるけど、せめて連絡が欲しいものです。
例えば、税に関する質問を投げても、何日も返事が返ってこないという場合があります。原因は、税理士のサービス業としての認識が低い場合と、スタッフ教育が出来ていない場合もあります。しかし、いずれにせよ、レスポンスが早いかどうか、事前に見極めることが重要です。
契約前に、見積書が送られてくるスピードや面談日程を決めるスピードなどからレスポンスの速さを推測しましょう。
(2)専門知識
①節税について教えてくれるか?
節税のアドバイスって、税理士なら当然の仕事じゃないの?と思われるでしょう。
実は、税理士の本来の仕事は、納税者に適切に納税の支援をすることなのです。
しかし、税法に詳しいと言われる税理士なら、法律に違反しない範囲で、納める税金を最小限にすることを顧客サービスとして当然に考えています。
税理士に節税について、自分の業種においては、どのような節税対策があるのか聞いてみてはいかがでしょう。
漠然とした回答しか返ってこない場合は、あまり節税アドバイスを期待できないケースが多いです。
②経営について教えてくれるか?
会社経営で、最も重要なのは資金です。会社の業績が黒字でも、資金が不足したら倒産することもあります。
資金の調達・運用について最大限に生かし、しっかりとアドバイスしてくれる税理士もいます。
資金の管理に強い税理士は、こんな質問にも適切に回答してくれるでしょうね。
- 手持現金の管理方法や、預金の分散のさせ方
- 金融機関との上手な付き合い方や、金利負担を少なく融資を受ける方法
- 売掛金の管理方法や、貸倒を最小限にする方法
- 棚卸資産の適正な管理方法
- 財務体質を強くするための方法
③決算対策はやってくれるか
決算直前になって決算対策をしていては、節税対策や納税資金の準備は間に合いません。
会社にとって、決算の重要性は非常に高いです。納税のこと、銀行からの融資のことなど、色々確定することがあります。決算前に、いつどのような打ち合わせを経て決算書が作成されるか事前に確認しましょう。
経営者の知らないところで勝手に決算書を作成する税理士には注意しましょう。
3.税理士選びの失敗例
最後になりましたが、顧問として税理士を選んだのはよかったが、こんなことがあって失敗した!という例を紹介します。
- 税務申告の直前になって「納税額が300万円です」と知らされ、資金が集められなかった
- 所長税理士が毎月来ると思ったら、新人が来て所長と話が全くできなかった
- とにかくレスポンスが遅い
- 価格が周りに比べて高い
- 税務調査の時に税務署よりの対応をされ、味方になってくれなかった
後でこんなことにならないように、顧問税理士を選ぶときには十分に注意しましょう。