間違いやすい消費税の処理

2015-08-12

間違いやすい消費税の処理
1.リース取引における処理の誤り
2.返品・値引処理の誤り

昨年4月に消費税が8%に引き上げされ、1年半が経過しています。消費税の価格転嫁についいては「中小企業における消費税の価格転嫁にかかる実態調査」によると、60%以上の経営者がすべて「転嫁できている」と回答がありました。

1.リース取引における処理の誤り
(例1)
A社はコピー機や車両をリース(オペレーティングリース注)により賃借している。コピー機は経過措置の適用対象であるが、車両は適用外のため、施行日(2014年4月1日)以降、消費税率を5%の物件と8%の物件に区別する必要があった。しかし、経過措置適用のコピー機のリース料についても8%で処理していた。
(解説)
コピー機については、経過措置適用のオペレーティングリース取引なので、2014年4月以降でもリース料は5%で処理しなければなりません。一方、車両については経過措置不適用なので、2014年3月31日までのリース料は5%、2014年4月1日以降のリース料は8%で処理します。
注:オペレーティングリース
残価査定額がリース料から控除されているなど、ファイナンスリース取引以外のリースをいいます。このリース取引の場合、指定日(2013年10月1日)以前に契約し、一定の条件を満たせば経過措置の適用を受けることができ、施行日(2014年4月1日)以降も消費税率は5%のままとなります。

図1:オペレーティングリース取引の経過措置の適用と不適用による消費税率の違い
・経過措置が適用される場合

・経過措置が適用されない場合

例2
B社は、会社の車3台をリースにより賃借していたが、そのリース取引が経過措置の適用を受けないオペレーティングリース取引にもかかわらずファイナンスリース取引注と認識して、施行日以降のリース料も消費税5%で処理していた。
(解説)
車3台のリース取引は、経過措置不適用のオペレーティングリース取引なので、施行日以降のリース取引は8%で処理する必要があります。
注:ファイナンスリース取引
原則売買取引とされ、リース資産の引渡時点の消費税率が適用されます。特例で、支払の度にリース料を費用計上することが認められていますが、この場合でもリース資産の引渡時点の消費税率が適用されます。

図2:ファイナンスリース取引の消費税率

2.値引・返品などの処理の誤り
例3
卸売のC社は、2014年3月10日に商品Eを得意先に販売・納入したが、4月に入って得意先から返品の要請があり、今後の取引もあることから4月20日に返品を受け消費税率8%で処理した。
解説
商品Eについては、経過措置で消費税5%で処理しなければなりません。施行日前に売上計上した商品等が施行日以降に返品となった場合、売上を計上した時点の消費税率で返品処理をすることになるからです。

例4
製造業のD社は204年2月に受注し製品を3月に納品して売上を計上したが、後日注文数に食い違いが生じてクレームとなった。結局値引で対応することになったが、対応に手間がかかり値引処理が4月になったので、消費税率は8%で処理した。
(解説)
この場合における値引処理は、経過措置により消費税率5%で行わなければなりません。施行日前に売上計上した商品等については、売上を計上した時点の消費税率で値引処理をすることになるからです。

図3:2014年3月10日に販売した商品Eが4月20日に返品になった場合の消費税処理

消費税の処理間違いを防止するためのチェックリスト
□①施行日をまたぐ取引について税率は誤りがないか請求書をよく確認しているか。
※消費税の仕入税額控除の請求額等の記載要件と同時に消費税率等についてもチェクします。
□②返品や値引などで、税率に誤りがないように返品等の商品等の販売(仕入)時点などを確認した上で処理しているか?
□③リース取引についてはその契約の内容を確認しているか。
※リース契約等で、ファイナンスリース取引かオペレーティングリース取引か、経過措置が適用されているかなどの確認が必要です。
□④クレジットカードの請求書がある場合、領収書、利用明細書等により各取引の消費税率を確認しているか。
※旧税率(5%)が混在している場合があります。

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