残業代をめぐる動向

2016-01-14

残業代をめぐる2つの動向

1.「残業代ゼロ」制度の拡大を検討

2.固定残業代をめぐる最近の判決

 

昨年、安倍内閣では、時間の長さではなく仕事の成果で評価する「残業代ゼロ」の対象を広げる「新たな労働時間制度」の設定を閣議決定しました。

残業の中身を問う一方で、残業の一定額をあらかじめ決めておく固定残業費の運用を厳格化する判決も出されており、こちらにも注目する必要があります。

1.「残業代ゼロ」制度の拡大を検討

労働基準法では、1日の労働時間を原則として8時間と定め、残業や休日の労働には割増の賃金を支払うことを義務づけています。しかし、この適用外として、労働時間にかかわらず「残業代ゼロ」の定額の賃金が、経営者と一体の立場にある「管理監督者」(部長職など)などに認められています。

 

2.固定残業代をめぐる最近の判決

(1)固定残業代とは?

固定残業代とは、実際の残業時間の有無や時間帯にかかわらず、一定時間数の残業代を毎月定額で支給する方法で、残業代を計算する手間が省けるうえ、人件費の総額が把握しやすいというメリットがあります。

ただし、この制度の導入に当たっては、固定残業代の取り扱いについての規定を就業規則や雇用契約書などに明示しなければなりません。その場合、「営業手当」「特殊手当」など、残業代とわかりにくい名称ではなく、残業代とわかるように明示する必要があります。

具体的には、固定残業代に該当する賃金項目(例:残業手当、みなし残業手当)、それが残業代に相当する旨、その金額ごとに含まれる残業時間をきちんと記載しなければなりません(例:固定残業手当2万5千円(残業20時間分))。

 

(2)最近の裁判の傾向

固定残業代をめぐる最近の裁判っでは、実際の残業時間に基づいて計算した賃金が、固定残業代を上回る場合には、その不足分を追加支給する必要があるとしたうえで、追加支給されていない場合には、固定残業代そのものの有効性を否定する可能性があります。就業規則等の整備とともに、その運用状況を踏まえた総合的な判断が行われているようです。

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