役員報酬の損金算入について

2015-07-23

役員報酬の損金算入について

1.損金算入ができる範囲は?
2.役員報酬の改定の時期
3.年度の途中で役員報酬を改定する場合

1.損金算入ができる役員給与は?
法人税法では、役員に対して支払う報酬や賞与を「役員給与」といいます。
「役員給与」は以下の要件を満たせば、「役員報酬」として損金算入が認められます。
(1)役員給与の支給が毎月行われること
(2)支給額が年間を通じて定額であること

一部が損金として認められない役員報酬の改定
3月決算法人が10月に役員報酬を増額した場合

2.役員報酬の改定の時期
役員報酬の損金算入の要件は、年度を通じて同額であることであり、年度の途中で増額もしくは減額をすると、一部が損金として認められなくなります。
ただし、決算終了後の定時株主総会などで、毎年所定の時期に改訂が行われる場合は「役員報酬」とみなされ全額を損金に算入することができます。そのためには以下の要件を満たす必要があります。
(1)年度の始まりから3か月以内(おおむね定時株主総会の開催まで)に改訂を行うこと
(2)年度内において改訂前の毎月の支給額が同額であること
(3)改定後の支給額が同額であること
株主総会で改定を行う場合には、議事録等を作成し記録を残し、保管しておきましょう。

たとえば、役員報酬の支給を毎月25日とする12月決算の法人が、3月24日開催の定時株主総会で報酬額を40万円から50万円に増額する決議を行い可決したのち、3月25日または4月25日から増額後の報酬を支給する場合は、増額後の50万円が全額損金として認められます。

3月24日の株主総会後、4月25日支給分より40万円から50万円に増額した場合

3.年度の途中で役員報酬を改定する場合
業績や資金繰り悪化により、やむをえず事業年度の途中で役員報酬の減額を行う場合もあります。この場合、減額の理由がやむを得ない事情があれば減額後の役員報酬も全額が損金算入できます。
やむを得ない事情とは、以下の状況があげられます。
(1)財務諸表の数値が相当程度悪化している
(2)会社が倒産の危機にふんしている
(3)経営悪化により、利害関係者(株主、債権者、金融機関等)との関係上、役員給与を減額することになった。
一時的な資金繰りの悪化、あるいは単に予算を達成できなかったという理由は、やむを得ない事情になりませんのでご注意ください。

例を挙げると、
(1)銀行との間で借入金の返済期限延長や条件緩和(リスケジュール)をするため、役員報酬を減額することになった。
この場合、銀行との交渉時に作成した返済計画、資金繰り表などをもとに、減額の理由を明らかにします。

(2)業績や財務状況、資金繰りが悪化したため、取引先からの与信を維持するために、役員報酬の減額を盛り込んで経営改善計画を策定した。
この場合、減額する期間、減額の効果など、取引先が納得する経営改善計画を策定することが必要です。

業績悪化を理由に役員報酬の減額が認められる場合

4.まとめ
以上のように、役員報酬は年度の途中で改定すると、原則として一部が損金として認められなくなりますので、役員報酬の改定時期については、次年度の経営計画の策定時期において、会計事務所とよく相談したうえで慎重に検討しましょう。

Copyright(c) 2014 宇佐見会計事務所 All Rights Reserved.
Top